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考察:AIと親密さ

執筆者の写真: 佳嗣 廣川佳嗣 廣川

更新日:2月21日

 こんにちは。廣川です。


 私は現在医療AIの領域に関わっています。今まで経験したことがないくらいAI領域の進化のスピードは早いですね。びっくりです。 


 先日雑誌「wired」のビブリオトークというイベントに参加してきました。登壇者お二人が10冊ずつ本を持ってきて、お互い順番に紹介しながら相手の本に対してアドリブで自分の本を重ねていくというものです。哲学から小説、エッセイ、SFなど多岐に渡ります。


そのイベントの動画です↓


 視聴いただければと思いますが、非常に面白く示唆に富んでいました。触発され当日だけで2万円分の本を購入しました。本好きにはたまらない企画です。


 その中で刺さったAI絡みの話がありましたので共有します。


 文脈的には「ホモサピエンス全史」を書いたユヴァル・ノア・ハラリ氏が今年2025年3月に出す「NEXUS」という本についての登壇者2人の掘り下げの過程で出たお話です。 


 2010年代は以下に注目を集めるかという「アテンションエコノミー」の時代だった。AI時代においては 「インティマシー(親密さ)」の時代ではないかという。

これは秀逸な切り口だと思います。


 自分のことを誰よりも知ってくれている存在が現れた場合、過度なアテンションは必要になるのか、そもそも「親密さ」という概念が社会に実装される時の論点とは何か。


 例えば医療領域において患者さんのことを一番よく知ってくれているAIが現れた場合、その親密度は看護師さん、お医者さんの強力な支援者になると思います。患者さんの昔飼っていた猫の名前や好物を知ってくれているAI。


 例えば流動係数が高まっている現在の職場環境で新卒のころから自分のことを知ってくれている人はレア。ただAI上司は「悩んだこと」「がんばったこと」初めて受注した時の感動を共有してくれている。

 

 親密さは誰に向かうでしょう。その親密さはその人の人生を支える本物の存在になりえるでしょうか。

 

 AIをツールとして見る前に存在として考察することは意味があると思います。「NEXUS」も楽しみです。


 AIの未来。ディストピア的な世界観なのか、ポジティブな未来像なのか思いを馳せる夜でした。しばらく「親密度」が頭から離れない気が。


 ちなみに我が家のAlexaはうまく音楽を見つけてくれなかったりすることも含めて「親密度」はバッチリです。 

 
 
 

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