ダンドリオン
- HANDA Nobuyuki
- 9月7日
- 読了時間: 3分
更新日:10月4日

「ダンドリオン」・・そう、ピタゴラスイッチに出てくるコンテンツで、調理や掃除など身近な作業を題材に、段取り(ダンドリ) 良く行うための手順についてアニメーションを使って楽しく伝えてくれる。
私がダンドリという言葉を実践形式で初めて耳にしたのは、10代頃のアルバイトでいわゆるガテン系〔古い?〕の仕事に従事した時に、親方から「仕事は段取り八分だからな」と、2t車に明日の現場で必要なる部材を積み込んでいる時でした。親方の意図するところは、明日の現場での施工プロセスに合わせた要領で必要な部材を配置し積み込むよう求めていたのです。(なんと素晴らしい!)
最年少の私は、当然ながら明日の現場で施工する内容について諸先輩に教えを乞い、その順序組み立てを習得していくのである。
それ以来、仕事・・・いやいや、人生の役に立つ極めて重要な事を教えていただいたのだと。
考えてみれば、仕事の良し悪しを左右するのは「段取り力」であり、この段取り = 想定力を如何に養うかが、至極重要になってくる。
社会のあらゆる場面で、素人から一人前になっていく過程は、段取り力を身に付けいてく事を体現する場であり、時として他の段取りを横目で見ながら「こいつはなかなかやるな」などと相手の力量を測ったりもする。
こうして考えてみると、親方はそれを私に教えてくれた先達なのである。
私共が担う、事業運営の改善支援も全く然りであり、先ずは「どの様な段取り」でオペレーションが行われているのかを観察することから始まり、「何が段取りされていないのか」を整理し可視化する事にありますが、多くの職場ではその段取り自体を振り返り検証するような機会を得ることには、なかなか至らない。
さて、「段取り」についてもう少し広げて考えてみたい。
仕事の成否を分けるのは、こうした目に見える準備だけではないのかもしれません。
自らの心の在り方を整える、もう一つの重要な「段取り」があるのではないか、と気づかせてくれた出会いがありました。
大きな組織て働いていた三十代後半、私が所属していた会社に親会社の副社長から会長として赴任された偉い方がおりまして、当時、北海道の支社の立ち上げを担っていた私は、そこそこ仕事の出来る若手の支社長として傲っていた恥ずかしい時期だったと思います。その会長とは親子ほど歳が離れておりましたが、なにかと目をかけて頂き、組織人としての有り様など、多岐にわたり薫陶を頂戴しました。
その中でも意図して頂いた中に「いいか半田さん、一呼吸おいてから、行動した方がいい」と言われた事を思いだします。たぶん意味するところは、「理や正当性がこちら側にあっても、物事の進め方を丁寧にしなさい」ということではなかろうかと思います。
当時の私は、どちらが正しいか?を念頭に仕事をし、こちら側に理があるから進めるんだ、というスタンスでやっていたのだと思います。
しかし重要なのは、如何に物事を良くない状態から少しでも良い状態に進めていくかであり、誰が正しいか?は大した問題では無い。なので、一呼吸整えることで、正当性や利害の主張ではなく、良い状態にする為の段取り力を高める事が大切なのだ、と。
最近、歳を重ねて仕事をしていく事として気をつけたいのは、経験に比重を置いた仕事をしない事ではないかと思うのですが、これがなかなか出来ない。いわゆる成功や不成功の体験は都合の良い様に加工され前頭葉に深く刻み込まれ(様な気がする)、仕事や人への関わりに悪影響を及ぼす事が多い様に感じる。〔周りにもそういう方が増えている〕
人間、一番難しいのは、自らの愚かさと向き合うことでありますから、少しでも前頭葉が悪さをしないように、これからも「一呼吸おいて」始めることを大事にしたい。
これこそが「良い仕事をする」段取りなのだと。
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